山手線大塚駅(大塚駅南口の商店街入口)

大塚駅南口の商店街入口

商店街の中を北へ。
再び、大塚駅の駅前広場に戻る。
振り返って、商店街の方を見ると、その入口に大きな鳥居。
なるほど、商店街は、天祖神社の、門前街みたいなものらしい。
落ち着いた佇まいがあるのは、そのためかな。
実際、今も、料亭、割烹などが、あるそうだ。
ただ、昔は、もっと、たくさん、軒を連ねるようにして、そういう、お店があったらしい。
今とは、比べようもないほどに。
たぶん、そのような発展は、郊外の誕生と、関係があるのだろう。
文京山の手が、北へ北へと、拡大してきたのだ。そういった、地域が、上客だったのかもしれない。
同じ頃、渋谷、新宿の街も、賑やかになり始め、現在に到っている。
だが、大塚は、渋谷、新宿、池袋には、なれなかった。
郊外へ伸びる、鉄道が、乗り入れなかったからだが。
もっとも、大きな街に、なったから、どうだ、というわけでも、ないけど。
こうした、うらぶれた、静かな街が、あってもいいような気がするし。
巣鴨の地蔵通り、神楽坂、みたいな例もある。
時代から、取り残されてしまったら、そのことを、テーマにした、歴史的なテーマパークを作ればいいわけだ。うまくいくかどうかは、わからないけど。
惜しむらくは、趣のある街に、なお、一層の、情緒を添えていた、谷端川の流れが、今は、なくなってしまったことだな。
もし、谷端川の流れが、残っていれば、賑やかさが、なくなっても、街の情緒は、あったはずだから。
でも、失われたものは、もう、二度と、戻らない。
仕方のないけど。
(2009年6月記)