山手線大塚駅（ドレシアタワー）

大塚駅北口広場から、北西に伸びる、宮仲公園通りへ。
そのまま、北西に進む。
昔は、谷端川が、流れていたそうだ。
今は、ずいぶんと、きれいな通りになっているな。
しばらく、歩いていくと、通りの南側に、ドレシアタワー。（工事中はこちら）
最近、竣工している。
実は、高層住宅が建つ前、この場所には、大きな病院があったのだ。
通りの名前も、その病院の名前だったような気がするが、さすがに、変更したのかな。
以前、訪れた時、ちょうど、病院の建物の、解体作業を、やっていた。
壁は、取り壊されて、病室の中が、剥き出しの状態。
作業中に、間断なく、響き渡る、ガラス器の割れる、パリン、パリン、という音。
これは、カメラに撮っておこう、と思ったが、どうしても、シャッターが、押せなかったなあ。
このまま、シャッターを押してしまえば、今、目の前に、佇んでいる、なにか、すごく重たいものが、すっかり、消えてしまう気がしたのだ。
たぶん、プロのカメラマンなら、そのような、空気、雰囲気を、表現できる、技術があるのだろう。
自分には、そんなものはないし。だから、撮る資格はない。
あれから、わずか数年。今は、病院もなくなり、こうして、清楚な、高層住宅が、建っているわけか。
記念碑とか、ぽつんと、立っていて、まわりに、重々しい陰を宿す、樹木が植えてあるような、公園になっているよりも、こんな風に、生活の場になっている方が、むしろ、よかったのかもしれない。
谷端川がなくなり、そして、大きな病院もなくなった。
その代わりに、きれいな通りと、清楚な高層住宅。
昔の、大塚が、遠ざかっていくような感じがする。
（2009年6月記）