都営大江戸線赤羽橋駅(芝公園芝丸山古墳)

芝公園芝丸山古墳

東へと歩き、麻布十番駅に戻る。
見慣れた、いつのも、駅前風景。ようやく、人心地がつく。
あれだけ垢抜けていれば、鄙びた温泉など、なくなるわけだな。
気を取り直して、さらに、東へと、歩いていく。
東へと流れる、古川の、北側を、平行している大通り。
上空には、首都高の高架が、沿うように、伸びている。
昔、歩いたときは、高架下に、工場や、飲食店があったように、記憶しているのだが、記憶違いなのかな。
今は、ほとんど、何もない。
でも、もし、さっき、見てきた、三田小山の路地のある街並みと、セットになっているとしたら、それは、あり得るようにも思うのだが。
今となっては、もう、わからない。
そんなことを考えながら、東へ東へと進む。
やがて、南北に伸びる、桜田通りとの交差点、古川に架かる橋、赤羽橋に辿り着く。
その先、大通りの北側一帯には、広大な、芝公園の敷地。
敷地内には、プリンスホテル、有名な増上寺などがある。
もっとも、明治時代より前は、この、芝公園全体が、増上寺だったわけで、芝公園の中に、増上寺がある、という言い方は、実は、変なのだが。
そこで、ちょっと、江戸時代まで、遡ってみてみる。
江戸時代の、増上寺の南側の西寄り、つまり、今の、プリンズホテルがあるあたりには、大きな、池があったようだ。
さらに、東寄りには、安国殿があったのだが、今は、芝東照宮になっている。
そして、大きな池と、安国殿の間には、円山、今で言うと、芝丸山古墳があるのだ。
そこだけは、変わっていないな。
プリンズホテルの東側あたりから、芝公園に入る。
公園といっても、雑木林が、広がっているばかり。おまけに、都心のそういう場所は、鴉がたくさんいるのだ。
雑木林の中、北へと入っていくと、ちょっとした、小山が聳えている。
頂上に登ってみたが、ここが、巨大な古墳だったなんて、まったく、思えない。
公園内のどこかに、ミニチュアの復元模型でも、展示してあれば、便利なのだが。
それにしても、遙かな、歴史の流れを、感じてしまうなあ。
(2009年6月記)