都営大江戸線赤羽橋駅(南側から見上げる東京タワー)

南側から見上げる東京タワー

桜田通りを、再び北へ。
しばらく、歩き、東へ曲がる。
そのまま、東へ。坂を登っていく。
登りきったところに、遙かに高く、聳え立っている、東京タワー。
真下あたりまで行って、見上げてみる。
高さもさることながら、その燃えるような朱色には、目を奪われてしまうな。
まさに、エネルギッシュだった、高度成長期の日本を、今に伝えているようだ。
あの頃から、ずっと、東京の街に、立ち続けているわけか。
その後、東京タワーほどではないにしても、東京には、巨大な建造物は、どんどん、建っている。
それでも、東京タワーは、東京で、最も、有名な建造物に違いない。
そんな東京タワーなのだが、実は、登ったことはないのだ。
ひょっとしたら、子供の頃、連れられて、登ったことは、あるかもしれないが、よく、覚えていない。
バブルの頃に、一度か二度、近くまで来た折、登る寸前まで、いったけど。
でも、結局、いつでも来れる、ということで、東京タワーに、入ることはなかったな。
今も、こうして、見上げているわけだが、登ってみよう、なんて考えは、湧き上がってはこない。
たぶん、東京の景色の中に、完全に組み込まれてしまっているので、登るもの、という意識は、ないのかもしれない。
つまり、位置関係の基準、ランドマーク、というわけだ。
もし、東京タワーに登れば、そこからの景色の中に、もちろん、東京タワーは、ないわけで、そうなると、東京の景色としては、不完全、となってしまう。
そこまで、厳密に考えなくとも、ようするに、いつも、見えているので、敢えて、今、登ってみよう、という気が、起こらない、というだけなんだろうな。
ということで、今回もまた、東京タワーを見上げるだけで、引き上げることにする。
(2009年6月記)