日比谷線神谷町駅(虎ノ門五丁目六本木一丁目再開発予定地)

虎ノ門五丁目六本木一丁目再開発予定地

桜田通りに戻り、再び、北へと歩いていく。
古川あたりから、ずっと、上り坂。
しばらくすると、交差点がある。どうやら、ここらへんが、尾根になっているみたい。
交差点を過ぎると、ちょっと、下り坂になるからだ。
それに、尾根を越えた、ということで、なんとなく、風景も変わる。
いままでは、川沿いの低地だったが、尾根を越えると、大袈裟だが、内陸の奥地、という感じ。
木々の緑も、気のせいか、深くなっている。
さらに、北へと進み、途中で、西へ。細い道に入る。
道は、俄かに、急な、上り坂。山間に分け入る雰囲気だ。
都心とは、思えない野趣な光景。
我善坊谷、というのかな。あるいは、仙石山、かもしれない。
前もって、調べてこなかったので、ちょっとわからないが。
とにかく、上へ上へと、登っていく。
仙石山、という、小さな石碑があるあたり、突然、視界が、開けてきた。
野原に出てきたわけでもなく、展望台に出てきたわけでもない。
家々がなくなった後の、更地が広がっているのだ。
新たな再開発が、始まろうとしているらしい。
かなり前から、風聞のあった、我善坊谷の再開発であろうか。
もっと、桜田通りの近くかと思っていたが。
目の前に広がる、更地を見ると、ほとんど、岡の頂上付近になる。
ひょっとすると、上のほうから、順次、再開発をしていき、最終的には、桜田通りまで、達するのかな。
つまり、谷地の方は、下町になっているので、再開発しやすいから、敢えて、上の方から、再開発を開始したのかもしれない。
今のところ、全体像は、よくわからないが。
更地を囲っている、柵に沿って、さらに、上へ登る。岡の尾根道に辿り着く。
尾根道を北へ歩けば、すぐに、南北線六本木一丁目駅の入口があるわけだ。
なるほど、交通至便、なのだな。
あとで、この再開発については、調べておこう。
もっとも、調べているうちに、工事は、始まってしまうのだろうな。
そして、かつての風景は、一変してしまう。すべては、思い出の中へ。
こうして、自分のまわりは、どんどん、思い出になっていく。
仕方のないことだな。
六本木一丁目駅から、南北線で帰ろう。
次、来たときには、思い出になっている場所を、後にして。
(2009年6月記)