東武伊勢崎線越谷駅(越谷市中央市民会館)

越谷市中央市民会館

メインストリートを東へ東へと、歩いていくと、元荒川に架かる橋がある。
その橋の手前、通りの南側には、とても瀟洒な、洋館のような、建物。
かつて、何度か、この建物の近くを、通って、気になっていたが、たぶん、ホテルか、高級レストランなのかな、と思っていた。
今回は、確かめるべく、ちょっと、近づいてみると、中央市民会館という文字に、驚いてしまう。
こんな場違いな、豪勢な建築物、どう考えても、バブルの産物だろうな。
詳しいことはわからないが、デザイン的には、なにか、昔の、有名な建物を模したものなのかもしれない。
ただ、今となっては、この建築物自体が、バブルの時代を語る、歴史的な建物になってしまったような気がする。
それはそれとして、話は変わるが、自分は、都心と都心近郊を、ほぼ、隈なく、訪れているけど、元荒川を目の前にした、この場所ほど、美しいところを知らない。
美しい風景、というと、いろいろあるが、ここの場合、この雄大な、水郷地帯の美しい景色は、かつての、関東平野の原風景、を想起させてくれるのだ。
今では、信じられないが、鎌倉時代より以前、関東平野は、群馬県、栃木県の山際まで、こうした、湿地帯が、広がっていたらしい。
その広大な湿地帯は、鎌倉時代以降からの、気の遠くなるような、干拓事業で、今のような、関東平野になったのだ。
そして、ところどころに、このような、水郷地帯が、残ることになる。
考えてみれば、越谷は、かなり、内陸なはず。内陸奥深くなのに、水郷地帯なのだ。
自然の雄大さや、その自然と共に歩んできた、歴史に、思いを馳せてしまうなあ。
バブルの洋館も、このような、重い歴史の中にあっては、ちょっとした、飾り程度、に過ぎないのかもしれない。
(2009年7月記)