中央線中野駅(中野サンモール商店街の中)

中野サンモール商店街の中

中野サンモール商店街に入ってみる。
相変わらず、賑やかだな。
もっとも、中野へ来たときは、たいてい、この商店街の中を、通ってくるので、新鮮味はないけど。
ただ、やはり、アーケードの商店街、というのは、何度、通っても、いいものだ、とは思っている。
そういえば、中近東のバザールは、こういう感じなのかな。たぶん、そうだろう。
つまり、商店街の上に、屋根が付いていて、雨風や、暑さ寒さの影響を受けない、というだけではない。
アーケードの商店街の中は、何か、独特の雰囲気がするのだ。
洞窟、ラビリンス。そんな感じだが、ちょっと、違う。
方向や空間の感覚が、なくなるのは、似ているけど。
たとえば、こういう経験は、誰でもあるだろう。
ある、賑やかな商店街が、再開発で、更地になったとしよう。
その更地を見て、かつての商店街が、実は、ものすごく狭い空間だったことに、驚いてしまう、といったようなこと。
たぶん、それは、その商店街が、一つの世界を形成していたからだろう。
だから、実際の空間よりも、とても、広く感じられたのだ。
とすると、すなわち、アーケードの商店街も、一つの、閉じた、世界に違いない。
その中に、入り込んでしまえば、ひととき、現世を、忘れさせてくれる。
大袈裟だけど、そういうことだと思う。
しかし、最近は、そんな、アーケードを取り払ってしまうことが、多いそうだ。
そして、アーケードを撤去した後には、白々とした、冷ややかな、現実があるのみ。
今、賑わっている、中野サンモール商店街、そんなことには、なりはすまいか。
大丈夫だとは、思うんだけど。
でも、将来は、わからない。
(2009年7月記)