小田急線相模大野駅(相模大野駅西側再開発地)

相模大野駅西側再開発地

相模大野北口商店街から、南西側へ。
そのまま、駅の南西側まで歩いていく。
実は、相模大野駅の旧市街、といっていいのかどうか、わからないけど、昔の商店街は、駅の南西側にあるようなのだ。
たぶん、今の伊勢丹のある場所は、ちょっと前まで、米軍の施設があったわけだし、東側には、交通量の多い幹線道路、16号線があるし。
だから、昔の商店街があるとすると、南西側しかない。
実際、相模大野駅に来るたびに、古そうな飲食店などが、ちょっと、気になっていたのだが。
なんとなく、昭和の、取り残された一帯が、あるな、という風に。
ということで、今回、行ってみることにする。
到着すると、一面、更地が広がっているばかり。
しかも、ちょうど、まだ、残っている建物の取り壊し作業の真っ最中。
駅に近いので、再開発される、というわけか。
そんなことだろうとは、思っていたんだけど。
豊かな時代なら、街は、外へ外へと、拡大し、こうした場所は、そのまま、ひっそりと、残ったりする。
ただ、豊かでなければ、冷酷に、存在意義を、問い質され、その結果は、容赦のないものにならざるを得ない。
時代の流れなので、仕方がないな。
でも、本当にそうなのだろうか。
豊かでない、ということが、理由になるのだろうか。
豊かでないのに、豊かさを、維持しようとするから、不自然なことになるんじゃないのかな。
といっても、別の道があるのかどうか、わからない。
そういう、割切れない、気分のまま、相模大野駅に戻る。
すぐに、小田急線の新宿行きの電車が来たので、乗り込んだ。
途中、向ヶ丘遊園駅にでも、降りて、昔あった、モノレールの跡を見ようかと、思っていたのだが。
そのつもりでいたのに、列車は、向ヶ丘遊園駅を、通過してしていく。
切符は、新宿駅で精算すればいいとしても。
昔のモノレールの遺構を見て、豊かだった過去の雰囲気に、浸ろうとしていた、その気分は、どうなってしまうのか。
早いスピードで過ぎ去っていく、車窓の風景の中、そんな気分は、細切れになって、どこかへ、飛び去っていくようだ。
はるかに、遠ざかっていく、向ヶ丘遊園駅を見やりながら、やっぱり、仕方がないな、と思うしかない。
(2009年7月記)