山手線上野駅(上野松竹デパート)

上野松竹デパート

しばらく、上野公園内を歩いてみる。
ただ、上野公園で、自分が知っているのは、西郷隆盛銅像と、擂鉢山ぐらい。
もう少し、前知識があれば、いろいろ、見て回ったのだが、じきに、所在がなくなってしまった。
ということで、しばらくして、すぐ帰ることにする。
ところで、上野の山、といえば、平穏無事な地域なのだが、そんな一帯にも、唯一、激動があった。幕末維新の「上野戦争」だ。
今から考えると、信じられないけど。
どういう戦いがあったのか、というと、以下の通り。
明治新政府軍と、幕府の残存勢力、彰義隊が、戦闘状態に入り、一日で、新政府軍が、上野の山を制圧している。
その史実を扱った、NHKの歴史番組で、面白いエピソードを取り上げていた。
新政府軍は、あらかじめ、上野の山に陣を張っていた、彰義隊に、偽の彰義隊を、紛れ込ませていたのだ。
その偽彰義隊上野戦争の戦端が開かれ、しばらくして、機、到るや、彰義隊の陣地内から蜂起、たまらず、彰義隊は、総崩れになってしまった、ということだ。
番組の中では、その偽彰義隊の目撃者の子孫が、証言していたりする。
これでは、一日で、勝敗が決するのも、当然かな。
でも、この興味深い史実、ちゃんと、目撃者もいるのに、このテレビ番組でしか、触れられていないのは、なぜだろう。
たぶん、あまり、フェアでない感じがして、印象がよくないので、スルーされているのかな。
そんなことなど、考えながら、さっき上ってきた、似顔絵屋さんのいる階段を、今度は、下っていく。
中央通りに降り立ち、北へ。
通りの西側、上野の山の崖下の部分には、上野松竹デパート。
高度成長期の雰囲気。
とても、懐かしい。まさに、レトロ。こんな時代があったんだなあ。
でも、もうすぐ、取り壊されるそうだ。
上の階にあった、有名なレストラン、聚楽台は、すでに、閉店している。
変わらない街、上野にも、変化の波が押し寄せているわけだ。
もう、ここに来ても、昔の雰囲気に浸ることはないだろう。
時代は、着実に、動いている。
(2009年8月記)