京浜東北線桜木町駅(野毛山展望台付近から横浜を望む)

野毛山展望台付近から横浜を望む

野毛山公園の広場を、さらに、南に歩いていくと、展望台がある。
展望台の突端には、簡素な作りだが、2階建てぐらいの、見晴台の建築物もあるのだが、老朽化しているためか、立ち入り禁止で、利用はできない。
今は、その下、日陰になったところで、おじさんが、気持ちよさそうに、寝入っているばかりだ。
実は、バブルが崩壊した頃に、同僚と、この場所に、来ている。
たしか、そのときも、この見晴台は、立ち入り禁止だったな。
おそらく、ずっと、立ち入り禁止のままなのだろう。
ここからでも、十分に、横浜の街を、見渡せるので、敢えて、さらに、高いところに、上らなくともいいのでは、ということかな。
そんな展望台から、当時は、確か、みなとみらいの方や、遠く、東戸塚の方、高層ビルを目で追っていたっけ。たぶん、東戸塚は、無理だったと思うが。
躍動する、横浜の街の姿を、感じたかったに違いない。
バブルが崩壊したとはいえ、時代は、まだ、うきうきした雰囲気だったのだ。
そういえば、この展望台の帰り、坂道を下りたときに、横浜市中央図書館を見つけたのだ。
本当に、世の中、いい方向に、向かっていると、感じたものだな。
ところで、不思議なことなのだが、バブルが崩壊した頃、訪れた時、その前、高校生の遠足で訪れたことは、思い出さなかった。
気持ちが、輝ける未来に向かっていたので、過去のことは、どうでも、よかったのだろう。
でも、今は、高校生の頃のことも、懐かしく、思い出している。むしろ、そちらの方が、リアルでさえある。
つまり、あの、うきうきしたバブルの時代が、いかに、特異なものだったか、ということかな。
今、こうして、考えても、将来的に、どんな奇跡があろうと、バブルの時代が繰り返すことだけはないと、実感してしまっているし。
あの時代は、遠い、幻、蜃気楼、そういうことなんだな。
(2009年8月記)