京浜東北線桜木町駅(野毛山配水池)

野毛山配水池

野毛山公園の広場から北へ。
途中、東側一帯は、野毛山配水池、となっている。
池、といっても、水面は、見えない。
地下にあるらしくて、表面は、蓋がされ、その上には、緑が生い茂っている。
フェンスで囲われていなければ、普通の公園と、変わらない。
変わらないどころか、立ち入る者が、いないので、緑が、よりいっそう、濃いようだ。
完成したのは、明治時代の中頃。
日本初の、近代的な、水道施設の一環として、設置されたらしい。
当初は、浄水場も、あったのだが、全体的に、どのような施設だったのか、不明だ。
その後、関東大震災で、建造物が、破損し、配水池だけになっている。(あるいは、浄水場の代わりに、配水池が設置されたのかも)
ところで、この配水池、どういう仕組みになっているか、というと、いったん、水道水を、池まで、揚水し、その後、横浜の各所に、配水しているようだ。
つまり、野毛山全体が、給水塔の役割を、果たしている、ともいえる。
これで、横浜の水事情は、解消されたのだな。
こう見てくると、従来のように、ただ、遠方から、水を引いてくる方法では、横浜の水不足は、解決しなかったのだろう。
具体的に、どのような方法で、解決したのか、ちょっと、わからないけど。
ただ、こういう、インフラ整備による、生活の、劇的な、改善は、時代の動きを、実感させたに違いない。
明治時代しかり、高度成長期しかり、だ。
こんなふうに、特別な豊かさよりも、ごく普通の生活、安定した暮らし、それが、容易に、手に入るようになれば、本当の意味で、時代の進歩ではないかな。
でも、どうして、世の中、そういう具合に、時代が、動いてくれないんだろう。
いつも、不思議に、思ってしまう。
(2009年8月記)