西武池袋線東久留米駅(東久留米駅北側の踏切)

東久留米駅北側の踏切

商店街の中、北西にさらに歩いていくと、東西に伸びる、通り。
その通りに入って、西へ。
しばらくすると、西武池袋線の踏切がある。
この踏切の出てくる場面、「めぞん一刻」の中では、かなり、重要な出来事が、起こっている。
どんな出来事だろうか。そのことに、触れる前に、最後の方の場面を見てみよう。
ようやく、五代くんと響子さんが、結ばれたとき、響子さんが、次のように、告白したのだ。
本当はね、ずっと前から、五代さんのことが、好きだったの。
ずっと前って、いつから?
忘れちゃった。
その、いつから、という問いの、答えが、踏切の出てくるシーンなのだ。
たしか、こういう出来事だったかな。
亡き夫の忘れ形見にして、名前も同じ、飼い犬の惣一郎さん。
散歩の途中、焼鳥に釣られて、この踏切で、行方不明になってしまう。
方々、懸命に、探すが、見つからない。
そうしているうち、ひょんなことから、五代くんのもとに、惣一郎さんは、現れる。
五代くんが、惣一郎さんを、連れて歩いている姿を、見つけた、響子さん、後ろから、「惣一郎さん」と、声を掛けるのだ。
その声に気付いて、飼い犬の惣一郎さんと五代くんが、響子さんの方へ、振り変える。
その時、夕日の逆光を浴びて、五代くんの姿が、亡き夫の惣一郎さんに、だぶって、見えてしまう。
響子さん、思わず、どきっとするのだが。
響子さんが、五代くんのことを、好きになったのは、この時ではないかと、自分では、思っている。
などと、語り出すと、本当に、止まらなくなるなあ。
めぞん一刻」は、自分にとっては、同時代的な作品、というわけでもなかったけど、五代くんとは、同世代なので、思い入れがある。
めぞん一刻」になぞらえると、自分は、霞商会(「めぞん一刻」では、倒産しているけど)に入って、今に到っている、口かな。
でも、「めぞん一刻」のような、微温的な雰囲気は、もう、二度と、現れないに違いない。
けっして、あの作品世界の延長が、今の世の中ではないのだ。
ありもしない豊かさに、拘泥して、すっかり、とげとげ、ぎすぎす、になってしまったのが、現在の社会の姿。
そういえば、「となりのトトロ」は、夢や想像が、現実を、変える、という、お話だったっけ。
ならば、「めぞん一刻」も、そんな世の中を、変えてくれないだろうか。
そうだといいのだけど。
とりあえず、もっと、下調べをちゃんとして、また、来よう。
めぞん一刻」の舞台を通り抜けて、東久留米駅へと、急ぐ。
(2009年8月記)