市川市中国分(中国分付近外郭環状道路工事現場)

中国分付近外郭環状道路工事現場

小塚山を越えると、その先には、何もなかった。
丘の上の林と、麓に広がる、荒野、畑地があるだけ。
住宅地は、小塚山まで、なのだな。
台地が尽きて、低地になっていくのと、高速道路の予定地、ということで、何もないのだろう。
トトロの森、トトロの里は、こんな場所かな、と、前回、訪れた、東村山のことを、思い出しながら、東へ東へと、歩いていく。
丘陵地を後にし、まわりは、平地が、広がっていくのだが、一面、荒野があるばかり。
たぶん、外郭環状道路と北千葉道路との、ジャンクションの予定地だからかもしれない。
ジャンクションは、広大な面積を必要とするので、かくのごとく、どこまでも、荒野が広がる、というふうになったのかな。
その北千葉道路なのだが、千葉ニュータウン内、北総開発鉄道の両脇を、通るようだ。側道の一般道は、もう、開通している。
千葉ニュータウンを造成するとき、同時に、北千葉道路の予定地も、確保しているので、いつでも、開通しそうな感じだが。
ただ、千葉ニュータウンの外へ出たところは、どうなっているのだろう。
平地なので、たぶん、千葉ニュータウンの入口から、外郭環状道路とのジャンクションまで、最短距離のコースなんだろうな。
実は、その予定地の近く、かなり昔、知り合いが、住んでいて、クルマで、何度か、訪れたことがあるのだ。
何か、特別な、観光名所が、あったりは、しなかったけど。
ただ、たくさんの梨農園は、とても、思い出深い。
秋口ともなれば、道路脇に即売所が設けられていたっけ。
山梨のブドウ農園と同じような感じだ。
果物の中では、梨が、一番好きなので、訪れるたびに、買って帰ろうと思うのだが、そのたび、いつも、次でいいかな、と、見送っていた。
しばらくして、知り合いは、別の場所に、引越ししてしまい、そういうわけで、梨農園とは、すっかり、間遠になってしまったな。
今でも、秋になれば、美味しそうな梨が、道路脇で、売られているのだろうけど。
でも、もう、行くこともないし。
そして、今度は、その、梨農園を切り開いて、高速道路が、できるわけだ。
それなら、あの時、梨を、買っておけばよかったかも。
ちょっと、残念な気がしてくる。
もっとも、買ったら買ったで、気の利いた、思い出が、一つ、増えるだけ。
思い出など、もう、いらないな。
やっぱり、高速道路ができる前、いつか、もう一度、梨農園に行ってみよう。
そう考えると、少し、気が晴れてきた。
(2009年8月記)