都営大江戸線若松河田町駅(国立国際医療センター新病棟工事現場)

国立国際医療センター新病棟工事現場

小笠原伯爵邸を後にして、細い道を、北へと歩いていく。
小笠原伯爵邸もそうだが、あたりには、大名の屋敷が、たくさん、あったようだ。
山の手、台地の上は、環境もいいので、そういうことになるのだろう。
さらに、北へ歩いていくと、突き当たりに国立国際医療センター
高層ビルの新病棟が工事中だ。
実は、この病院のある場所も、かつて、大名屋敷だったらしい。徳川尾張家の下屋敷ということだ。
徳川御三家ともなると、さすがに、その下屋敷の敷地は、広大で、病院の西側の、戸山公園なども、その跡地に含まれる。
ただ、明治時代になると、旧体制側の徳川家、ということで、その屋敷は、誰某伯爵邸、のようにはならず、明治政府のものとなり、陸軍の敷地になっている。
その後、陸軍専用の病院が、移設され、東京第一陸軍病院となり、終戦後は、普通の病院に移行、現在に至っている。
そして、その病院には、今、高層ビルの病棟が建とうとしているのだ。
こんな風に、昨今、高層ビルを擁する施設としては、病院以外にも、教育機関などもあったりする。
日本が、工業国ではなくなったので、重点が、そういう分野に移ったのだろう。
小笠原伯爵邸の建物が、変わらないのとは、対照的に、こちらは、変貌が激しいな。
同じ大名屋敷跡でも、行く末は、まったく、異なるものらしい。
だけど、広大な、戸山公園は、大名屋敷の庭園跡を踏襲しているわけだし、残りの諸施設も、賑やかな商店街が消えてしまう、というような、変貌ではないだろう。
むしろ、より、整備されて、磐石のものになる感じだ。
(2009年8月記)