都営大江戸線東新宿駅(職安通り沿いコリアタウン)

職安通り沿いコリアタウン

かくのごとく、再開発で、瀟洒な、高層ビル街に生まれ変わろうとしている、一帯なのだが、昔、来たときは、ものすごく、怪しい感じがしたものだ。
学生の頃、バブル前ぐらいの時期だったろうか、高田馬場から、明治通りを通って、新宿まで、よく歩いた頃のことだけど。
その時、この職安通りの交差点に差し掛かると、なにか、新宿のダークサイトの入口、という雰囲気を感じたな。
古ぼけた不気味な雑居ビル、妙に豪壮なマンション、そして、ぼろぼろで、値段は安そうなのだが、立ち寄りがたい、飲食店。
一見すると、たんに、危険そうなだけなのだが、同時に、そこには、都市を動かしている、強靭なエネルギーが、蠢いている感じもしていて、わくわくするような、興奮を覚えたりもした。
そういうわけで、飽きもせず、何度も、明治通りを歩いて、新宿まで、来ていたのだ。
だが、バブルが崩壊した後、最近に至るまでに、その怪しい一帯は、なぜか、一掃されてしまう。
時代の流れなので、仕方のないことなのかな。
そんな昔の思い出に浸りながら、職安通りを西へ、歩いていく。
しばらく、進んでいくと、通りの北側には、コリアタウン
職安通りから、北の大久保通りまで、広がっている。
コリアタウンといっても、川崎や、足立区、荒川区にあるような、昔からの街ではなく、こちらは、バブルの頃、誕生したようだ。意外と新しい。
入ってみると、相変わらずの賑やかさ。
とても、懐かしいような気がしてしまうな。
ふと、気付いたが、この懐かしさ、ひょっとすると、昔の新宿のダークサイトにあった、わくわくした感じと似ているのかもしれない。
だから、堪らなく、懐かしくなるのかも。
(2009年8月記)