りんかい線東京テレポート駅(東京テレポート駅前)

東京テレポート駅前

テレポートブリッジから降りると、すぐ、目の前に、りんかい線東京テレポート駅の入口がある。
ここで、りんかい線に乗れば、山手線の大崎駅までは、すぐだ。
便利になったものだな。
昔、臨海副都心によく来ていた頃は、まだ、りんかい線は、東側の、新木場駅から、東京テレポート駅までしか、開通していなかったっけ。
だから、そのときは、もっぱら、新橋駅から、ゆりかもめだった。
臨海副都心までは、ずいぶんと、遠かったなあ。
それでも、のろのろ動く、ゆりかもめに揺られながら、窓外に広がる、更地のままの荒野を眺め、未来都市の夢を見ていた。
その夢は、ガンダムに出てくる、スペースコロニーのようなものだったかもしれない。
だが、そんな未来は、どこかへ、行ってしまった。
今、目の前にあるのは、その、未来への夢の残骸だけ。
現在も、徐々に、高層ビルは、建っているのだが、それらが、完成したとしても、やはり、未来への残骸に見える。
こんな風に、変貌著しいのは、都心の、限られた場所だけなわけだし。
昔に比べて、暮らしは、どう考えても、よくなっているどころか、逆行しているし。
どう考えても、未来は、夢になってしまったとしか思えない。
ふと、その時、等身大ガンダムを取り巻く、大勢の見物客のことを、思い出してしまった。
そして、ひょっとしたら、等身大ガンダムに、神話性を、与えているのは、今は、なくなってしまった、あの頃の未来、夢なのかもしれないなれない、という気がしてきた。
だとすると、未来は、「将来」、ではなく、「神話」、なのかな。
そう考えると、臨海副都心スペースコロニーから、早く、出て、帰らなければ、と思ってしまう。
未来という名の、神話の中にいても、将来は、やって来そうにないからだ。
もっとも、現世に戻っても、未来など、ないんだけど。
(2009年8月記)