山手線渋谷駅(神宮前 穏田神社)

神宮前 穏田神社

キャットストリートの東側、住宅街の中へ。
キャットストリートが、渋谷川の、谷地の跡を通っているので、斜面を、上って行くことになる。
このときは、さすがに、かつての、渋谷川の存在を、実感してしまうが。
斜面を、上り切ると、さっきの、喧騒が、ウソのような、静けさ。
しんと静まり返っているような感じがする。
そんな中、キャットストリートに沿うようにして、細い道を、南へと、歩いていく。
やがて、こんもりとした、小さな森。穏田神社だ。
この時は、ちょうど、お祭りの最中。
お囃子が流れ、様々な屋台が、参道に並び、閑静な住宅街の中にあって、そこだけが、ちょっと、賑わっている。
こういう、場所でも、お祭りは、皆、同じだな。
ちょっと、覗いてみようかと思ったが、やっぱり、やめた。
今回は、渋谷川跡を遡らなければ、ならないので、寄っている時間がないのだ。
それでも、この祭りの様子を見れば、かつての、長閑な景色を、十分に、想起できる。
ところで、江戸時代、この一帯には、水車が、幾つか、あったということだ。
当時は、のんびりと、大きな、水車が、回っていたのだろう。
今は、もう、水車もないし、そもそも、その水車を、回していた、流水は、下水のように、地下を流れている。
変わらないのは、お祭りと、閑静な住宅街かな。
閑静な住宅街は、ともかくとして、毎年、変わらず、催される、お祭りが、残っていてよかった。
時代が、変わると、すべてが、消滅する、というのは、心許無いような気もするし。
穏田神社から、また、かつての、渋谷川の谷底に戻ろう。
(2009年9月記)