半蔵門線表参道駅(神宮前 表参道)

神宮前 表参道

キャットストリートに戻り、再び、北へと歩いていく。
通りは、徐々に、賑やかさを、増していき、やがて、表参道へ。
相変わらず、とても、繁華な通りだ。
ただ、それだけではなく、流行の最先端の街でもある。
キャットストリートの源泉は、この、表参道のように見えるな。
このような表参道なのだが、いったい、いつから、今のような街になったのだろう。
表参道という名前は、明治神宮の参道を指すのだが、とすると、すくなくとも、明治神宮がなかった、明治時代以前には、一帯には、何もなかったはずだ。
そして、明治神宮が、造営されて後も、しばらくは、参道だけだったに違いない。
ただ、昭和に入った頃から、郊外化が始まり、表参道の周囲も、徐々に、静かな、住宅街に、なってきてはいただろう。
さらに、戦後になると、近くに、一時的に、アメリカ軍の集合住宅、ワシントンハイツが作られる。
そのことにより、インターナショナルな雰囲気が、街並みに加わっていく。この点は、六本木と似ているな。
そのようなインターナショナルな表参道に、原宿族が出現、というのも、六本木の六本木族と同じだ。
いずれにしろ、当時、表参道、六本木は、庶民とは、隔絶した、区域だったのだろう。
たぶん、庶民の街は、もっぱら、新宿だったように思う。
そんな表参道が、大衆化され、賑やかになっていくのは、高度成長期から、安定期にかけて。
豊かさが、遍く、偏在し、庶民にも、享受されるようになってからだ。
やがて、その賑やかさは、表参道から、溢れ出し、渋谷川の跡地、遊歩道に、流れ出し始める。
その結果、キャットストリートが、誕生したのだ。
(2009年9月記)