半蔵門線表参道駅(旧渋谷川遊歩道)

旧渋谷川遊歩道

南東に伸びる、表参道を、歩道橋で、越える。
歩道橋の上から、表参道を見下ろすと、巨大なケヤキの並木が、実に、美しい。
階段を降りて、表参道の北側に降り立つ。
渋谷川の跡地は、まだ、北へと伸びているのだ。
ただ、ここから先は、もう、キャットストリートとは、呼ばないようだけど。
それでも、おしゃれな店は、まだまだ、続いているみたい。
将来的には、それらしい、名前の通りになるかもしれないな。
そんな渋谷川跡地の遊歩道を、北へと、さらに、歩いていく。
キャットストリートと違うのは、どんどん、お店が、なくなっていき、最後には、普通の、住宅地の中の、遊歩道になる点だ。
キャットストリートの場合は、渋谷に通じているからだろう。
つまり、表参道から、溢れ出した、流行の最先端は、南へは、渋谷へと、流れ着くのだが、北への流れは、そのまま、消滅しているのだ。
そんな風に、ただの遊歩道になってしまったのだが、さらに、歩き続ける。
すると、今度は、もう、住宅地の中の、入り組んだ路地になり、結局、最後には、どこが、渋谷川跡地か、わからなくなってしまった。
跡地といっても、まだ、地下を、渋谷川は、流れているので、例えば、その上の道路には、マンホールが、多く、設置されているらしいのが、やっぱり、わからない。
いちおう、マンホールが、ずらりと、並んでいる、細い道路を、探したのだが、どうにも、見つからないのだ。
もうちょっと、下調べをしておけば、よかったけど。
一瞬、迷路のような、路地の中、途方に暮れてしまった。
もっとも、川の流路を辿るよりも、街並みを辿ることの方が、本意なので、こんな風に、砂地に水が染み込むように、消えている様を、確認できれば、いいのだが。
(2009年9月記)