半蔵門線表参道駅(神宮前 キラー通り)

神宮前 キラー通り

渋谷川の跡地を探すのは、早々に、諦めて、住宅地の中を、北東方向へ。
すぐに、南北に伸びる、外苑西通りに出る。
さっき、住宅街の中、見失った、渋谷川の流路は、このあたりから、外苑西通り、東側に沿うようにして、続いているのだ。
再び、渋谷川の流路を辿ることができる。
ところで、外苑西通りの、今、歩いているあたりは、別名、キラー通り、とも呼ばれているらしい。
ずいぶんと、面白い、名前なのだが、なにか、謂れはあるのだろうか。
公式的には、さる、著名な、ファッションデザイナーが、高度成長期の終わり頃、近くに、寺院がある、ということで、名付けたらしい。
でも、寺院は、いたるところにあるわけだし、それなら、もっと、キラー何とか、といった名前が、あってもいいはずだが、そんなものは、ないはずだ。
他にも、外苑西通りは、クルマがスピードを出して、危ないので、とか、沿道に、出店すると、すぐ店が潰れるので、とか、あるが、両方とも、この場所を、特定するような、理由とは、とても、考えられない。
それに、そもそも、「キラー」という単語、「すばらしい」、あるいは、「すごい」、という意味合いで使うわけで、物騒なイメージは、あまりないと思う。
ここからは、勝手な想像だが、以下のような、筋書きは、どうだろう。
このキラー通り沿いで、最も、有名なもの、と言えば、どう考えても、ビクター青山スタジオ、に違いない。
通りの名前が、「青山スタジオ通り」でも、いいぐらいだ。
そのビクター青山スタジオなのだが、「キラー通り」という名前が付けられる、ほんの少し前に、オープンしているのである。
さらに、もう一つ、世間では、その少し前、「ピンキーとキラーズ」が、大流行していたわけだが、その中心メンバーのピンキー、今陽子は、デビューが、ビクターレコード、となっている。
ちなみに、デビューしたが、売れず、すぐに、別のレコード会社に移籍し、「ピンキーとキラーズ」を結成、大ヒットしたらしいのだ。
これらを整理すると、キラー通り命名は、「ビクター青山スタジオの設立」→「ビクターから今陽子がデビュー」→「ピンキーとキラーズの大流行」→「ピンキーとキラーズからキラー通り」(時系列ではなく、連想の順番)、という風になる。
本当に、こういう、やり取りが、あったのかどうかは、今ととなっては、もう、わからないけど。
ただ、寺院からキラー、あるいは、キラーから寺院、という発想は、とても、不自然なのは、確かだろうと思う。
(2009年9月記)