丸ノ内線新宿御苑前駅(新宿御苑 広大な広場)

新宿御苑 広大な広場

西洋庭園を、西へ西へと、歩いていくと、やがて、広大な広場に出る。
ただ、広大だとはいえ、その向こうには、もう、新宿の高層ビルが、見えていたりするので、無限に広がっている、というわけでもない。
むしろ、箱庭、といってもいいぐらいだ。
だが、その箱庭を、広大に見せているのが、他でもない、庭園の造園技術、というわけではないだろうか。
もっとも、庭園やら、ガーデニングやら、興味がある以前に、所有しているわけでもないので、造園技術とやらについては、もう、これ以上、考えようもないけど。
そのような新宿御苑、江戸時代は、高遠藩内藤氏の中屋敷だったわけだが、当時も、屋敷内の庭園は、美しいことで、有名だったらしい。
江戸時代から明治時代へ、時代が代わると、その、広い中屋敷は、いったんは、農業試験場、のような施設になっている。
ただ、せっかくの、農業試験場、やっぱり、いつの間にか、庭園になってしまった。
西洋庭園などは、その頃に、できている。
また、たぶん、南側の東西に並ぶ、いくつかの、池も、そのとき、作られたのだろう。
しかし、ようやく、完成したのだが、一般に、公開されたわけではない。
今のように、誰でも、入場できるようになったのは、終戦後のことだ。
ということは、新宿御苑は、もともと、市民のための公園、ではないのかも。
むしろ、明治時代のテーマパーク、といった方が、正確なのだろう。
そもそも、あんな、豪壮な、西洋庭園を見て、萎縮はするかもしれないが、とても、癒される、なんて、あり得ないな。
そんなわけで、園内もある程度見たし、ついでに、いちおう、南側の池にも、寄ってみることにする。ひょっとしたら、渋谷川の源泉かもしれない、とも思ったのだ。
行ってみると、なぜか、どの池も、水面が、異様に、赤茶けていて、妙だった。
なにか、新宿御苑全体、どこかに、無理があるのだろうか。
歩き回っていると、癒されえるどころか、なんとなく、疲れるし、そうなのかもしれない。わからないけど。
もっとも、そうだとすれば、渋谷から、渋谷川を辿って、行き着いた場所としては、相応しいのかもしれないな。
とにかく、早く帰ることにする。
(2009年9月記)