都営浅草線高輪台駅(高輪消防署二本榎出張所)

高輪消防署二本榎出張所

南北に伸びる、桜田通りから、東へ。住宅地に入る。
すぐに、桜田通りと平行するように、南北に伸びる、高輪商店街がある。
商店街といっても、名前ばかりで、特に、商店が、軒を連ねている、というわけではない。
そんな高輪商店街を北へと歩いていくと、しばらくして、交差点があり、その北東側に、とても、特徴のある建造物。
以前、何度も、この交差点を東西に横切っている道路で、品川へ行っていたのだが、そのたび、いつも、交差点の一角を占める、独特な建物は、目に付いていた。
いちおう、消防署、ということだけど、建ったのは、昭和の初め頃らしい。
その頃、どうなっていたのか、わからないが、高度成長期、この建物を撮った写真はある。
その写真を見ると、当たり前なのだが、建物は、まったく、変わっていない。
それなのに、そのまわりが、かなり、変貌しているので、とても、不思議な感じだ。
まず、交差点にある信号機の形が違うし、停まっているクルマが、違う。
さらに、まわりには、やはり、商店があって、商店街の名前に相応しい、雰囲気だ。
ひところは、聖坂田町駅近くまで、賑やかだったらしい。
今は、お店は、ほとんど、なくなっているけど。
そんな時代の流れを、この建物は、静かに、見てきたわけだ。
最初は、賑やかな街中に建っていたに違いない。
時が経つにつれ、徐々に、まわりが、変わっていき、当時のものが、一つ一つ、消えていく。
そして、今は、もう、何一つ、残っていない。
ずっと、残っているのは、いいことかもしれないけど、でも、それは、とてもとても、寂しいことなのかもしれないな。
(2009年9月記)