東武伊勢崎線曳舟駅(曳舟東武ボウル)

曳舟東武ボウル

東武伊勢崎線曳舟駅の方を見ると、ボーリング場がある。
ビルになっているので、ボーリング場だけではなく、その他の遊戯場や、レストランなども併設している、総合レジャー施設なのだろう。
このビルの地階に、曳舟駅の改札があって、まるで、駅ビルみたいな感じだ。
開業したのは、高度成長期の終わり頃。
ようやく、世の中、豊かになり、生活に余裕が生まれた時期だな。
当時としては、時代の、最先端だったのだろう。
ただ、その時点で、曳舟は、時間が、止まってしまったらしい。
高度成長を成し遂げ、安定期、バブル期と坂の上に駆け上がった日本。
だが、曳舟の周辺だけは、取り残され、いつしか、懐かしい、昭和の、レトロな街になっていったのだ。
ちょうど、その頃、一度、曳舟に来ている。
東武伊勢崎線曳舟駅から京成電鉄京成曳舟駅へ、乗り換えたのだが。
昭和の時代をテーマにした、映画のセットかと思うほどに、懐かしい街並み。
こんな場所が、残っていたのだな、と強く印象に、残っている。
ボーリング場も、高度成長期そのままだし。
あれから、何年経ったのだろう。それほど、大昔ではないはず。
なのに、もう、そんな、レトロな街並みは、あらかた、消えてしまっている。
そんな中、ボーリング場だけが、ぽつんと、残った。
まわりは、真新しい、高層ビル群。垢抜けた、おしゃれな街並み。
だからだろうか、もはや、このボーリング場の建物を見て、懐かしい、なんて、思えない。
寂しい、としか、感じないのだ。
過ぎ去った、あの頃、華やかな、昔は、もう、戻らない。
(2009年9月記)