東武伊勢崎線東向島駅(都営白鬚東アパート)

都営白鬚東アパート

南北に伸びる、墨堤通りへ出て、北へ北へと、歩いていく。
しばらくすると、西へと伸びる、明治通りとの交差点。
明治通りに入り、西へ向かうのだが、その交差点の、北西側には、都営白鬚東アパートがある。
棟が、北側へと、連なり、まるで、壁のような感じだ。
実際、大規模な火災が発生した際の、防火壁になるので、その意味では、壁である。
ただ、一見すると、火災の延焼を、防ぐための壁に、見えるが、そうではなさそうだ。
東側は、墨田区の下町、隅田川を挟んで、西側は、今は、なくなってしまったが、汐入と、南千住の下町が広がっているので、両方とも、火災の危険があるからだ。
もし、両方、同時に、火災が、発生した場合、防火壁の意味は、なくなってしまうに違いない。
たぶん、隅田川と都営白鬚東アパートの間の敷地に、避難した場合、その安全を、確保するための、防火壁なのだろう。
もっとも、西側、隅田川西岸の、汐入は、消滅し、集合住宅になっている。
南千住も、墨田区の下町も、マンションが、どんどん、建っていて、だんだん、下町が、消えてきている。
とすると、長大な、防火壁の必要性は、薄れているのかもしれない。
そんな都営白鬚東アパートなのだが、完成したのは、高度成長を達成した後、安定期の頃だ。
当時は、まだ、下町が、消滅するとは、思わなかったのだろう。
そういえば、曳舟に、ボーリング場が、できた時期だな。
曳舟には、今は、ボーリング場しか、残っていない。
とすると、同じように、将来は、都営白鬚東アパートの壁だけ、残るのかも。
(2009年9月記)