つくばエクスプレスつくば駅(つくば 中央公園の池)

つくば 中央公園の池

平地にある、多摩ニュータウン、というところだな。
どこまでも、続く、平たい地面。
その上に、派手なショッピングセンターやら、真新しいオフィスビルやらが、駅近くに、固まっている。
北側には、これもまた、よくある、典型的な、緑の公園。
秋晴れの空のもと、本当に、居心地よさそうな公園だ。
実際、家族連れも、多く、園内の芝地の上、憩っている。
広大な、緑の絨緞。そこに、効果的に配された、深い木々の群。
そんな公園に立ち入り、誘われるように、北へと歩いていく。
しばらくすると、広い池。
平地に池、というと、沼地や、湿地帯なのだが、そういう感じはしない。
そもそも、人工的な池なので、当然なのだが。
この、美しい景観を作り出している、池を眺めていたら、ふと、では、最初に、この場所には、何があったのかな、という思いが、湧き上がってきた。
何もないところに、つくばの街が作られたわけで、それ以前、たぶん、ここには、天然の森林でもあったに違いない。
ということは、そのような、森を、破壊し、消滅させ、均して、街を築き上げ、さらに、その後、わざわざ、緑の公園を作ったわけだ。
ひょっとしたら、もとの、自然を、できるだけ、残して、公園に、設えたのかもしれないけど。経緯は、よくわからない。
もし、そうだとしても、この、快適な空間は、天然自然、天与のものでは、よもや、あるまい。
そう気付くと、居心地のよいはずの、公園、急に、居づらいものになってしまった。
公共の場ではあっても、なにがしかの、代償を、付き付けられるような気がして。
もっとも、どうせ、長居するつもりは、毛頭、ないので、どうでも、いいことだが。
時間もないことだし。貧乏、暇なしなわけだし。
先を、急ごう。
(2009年10月記)