つくばエクスプレスつくば駅(つくば つくば駅近くの中央通り)

つくば つくば駅近くの中央通り

H-IIロケットも見たし、今度こそは、もう、本当に、帰ることにする。
池の岸に沿って、南へ。
園内の芝地を、突っ切り、公園の南側を東西に伸びる、中央通りに出る。
陸橋を渡った先は、もう、つくばエクスプレスつくば駅、ということになる。
このように見てくると、緑の公園、商業施設、集合住宅、オフィス街が、駅を、中心にして、コンパクトにまとまり、本当に、効率のよい、快適な、人工空間を、作り出していると、実感してしまうな。
もし、宇宙空間や、他天体に、ある程度、広大な、人工的居住空間を、作るとすれば、やはり、たぶん、こんな感じになるに、違いない。
とすると、つくばエキスプレスは、さながら、宇宙空間を飛び交う、星間移動のための、移送機関、というわけか。
かつて、描いていた、SFのような世界、なんとなく、実現しているではないか。
でも、ちょっと、違う。
たしかに、そうだとしても、やはり、ちょっとどころか、全然、違うような気がする。
SFのような世界は、世界であって、つくばエクスプレスつくば駅は、それに比べれば、テーマパークのような、限られた空間でしかないからだ。
少なくとも、自分にとっては、まったく、関係のない、異空間なわけだし。
贅沢なほど、広々とした、つくば駅ホームから、列車に乗り込み、さらに、考える。
なるほど、そういうわけなら、SFの未来が、実現しないのは、すでに、部分的に、それが、実現され、享受されているから、なのかもしれない。
つまり、未来が、実現されているかどうか、ということと、それが、社会全体に、行き渡るかどうか、ということとは、別問題なのだ。
もっとも、そんな風に、未来が実現したとしても、その先に、また、新しい未来があるわけだし。
結局、永遠に、未来には、辿り着けない。未来には、終わりはない。
だから、未来など実現しなくとも、それでいいのかもしれないな。
秋葉原には、夕方の4時には、着いてしまう。
改札を出て、いつもの、雑踏の中へ。
ただ、ほっとした気分、というわけにはいかなかった。
終わりのない未来から、抜け出したとして、でも、そこには、未来のない、重苦しい、現実が、待ち受けているだけだからだ。
(2009年10月記)