南北線溜池山王駅(赤坂 さくら坂)

赤坂 さくら坂

高田馬場駅から東西線飯田橋駅で、南北線に乗り換える。
溜池山王駅で下車。
長い長い地下道を、南へ南へと、歩いていく。
途中で、地上への階段が、幾つかあるが、そんな枝道は、気にせずに、ひたすら、南へと進む。
やっと、突き当たり、地上に出ると、六本木通りの南側だ。
地上は、六本木通りもそうなのだが、交通量の多い通りばかりで、横断歩道を渡らなければならず、移動するのは、意外と、面倒になる。
そんなときは、こうした、地下道が、便利なのだ。
もっとも、地上に出たとき、そこに、目的地があればの話だが。
こんな風に、便利なのだが、ただ、ここまで、延々と、地下道を、掘り進めたのなら、もう少し、六本木通り沿いに、進めば、アークヒルズがあるのに、と思ってしまう。
そうしなかったのは、南北線の次の駅、六本木一丁目駅から、アークヒルズまで、すでに、地下道が、伸びていて、その地下道と、繋がってしまうからかもしれない。
繋がったからといって、わざわざ、溜池山王駅から、地下道を、通って、歩いてくる、ということはないんだろうけど。
ただ、南北線の駅間の移動を、地下鉄の利用以外で、便利にしよう、ということは、なるべく、避けたいところだろうな。
地上に出て、六本木通りに沿い、少し、南西方向へ歩いていく。
しばらくすると、南側には、さくら坂がある。
いかにも、由緒のありそうな、名前だが、実は、それほど、古くはない。
ということで、訪れるまでは、高をくくっていたのだが。
この坂を、初めて、訪れのは、春の季節。たしか、その年は、いつまでも、寒さが、居座っていたと記憶している。
寒い、夜中だっただろうか、六本木、虎ノ門あたりの、台地から、溜池山王に向けて、歩いていて、適当に、坂道を、下っていたのだ。
すると、坂道の一画、闇夜の中に、ライトアップされた、桜並木。
異様なほど、美しい光景だったな。
もちろん、桜並木をライトアップしているから、さくら坂になったわけではないのだが、でも、それでいいんじゃないかな、と思うぐらい美しかったな。
(2009年10月記)