東急東横線中目黒駅(川の資料館付近 目黒川)

川の資料館付近 目黒川

いちおう、駅近くには、まだ、お店があるみたい。
根こそぎ、街並みが、すべて、消えてしまったわけではないようだ。
でも、やっぱり、ほぼ、消滅した、といっていいだろう。
そういえば、こんな風に、商店街が、再開発されると、いつものことなのだが、感じることがある。
なくなる前の街並みが、実は、かなり、狭い空間だったのだな、ということだ。
たぶん、空間に対する捉え方は、社会的な要素や、心理的な要素が、含まれているんだろうな。
もっとも、そんなこと、消えてしまった後に、気付いても、遅いけど。
目黒川に沿って、南へと、歩いていく。
川岸を進むことになるわけだが、都心部の河川は、川、というよりも、巨大な側溝。歩いていても、風情など、微塵もない。
と思っていたら、進むに従い、妙に、川の様子が、変わってきた。
岸辺には、葦のような植物。川底も、それらしく、砂礫が敷き詰められている。
しかも、葦の草叢には、水鳥まで、いるではないか。
いったい、これは、どうしたことだろう。
ここの部分だけ、護岸工事がなされず、天然のまま、残ったのかな。
そんなはずはない。
とすると、これは、自然再生事業、ということになる。
無理して、護岸工事を施し、またさらに、もとに戻しているわけだ。
治水事業ということから見れば、ただ単に、天然のままに、戻しているわけではないんだろうけど。
ただ、こんな風に、一方で、下町が、消えたと思ったら、他方では、コンクリで固められた、側溝が、自然に戻った、というのは、不思議な感じてしまったが。
(2009年11月記)