京葉線稲毛海岸駅(稲毛海岸駅前広場)

稲毛海岸駅前広場

まっすぐ伸びる、幅広の通りを、そのまま、南西へ。
ニュータウンらしい道路だな。
近未来そのまま。子供の頃は、このような、風景が、将来は、当たり前になると思っていたけど。
そんなことは、なかった。
子供の頃、夢見た未来は、そのまま、立ち尽くして、今は、もう、レトロになってしまったのだ。
ニュータウンは、どこも同じ。
そのような昔の思い出に、浸りながら、歩いていくと、やがて、京葉線稲毛海岸駅
今度は、バブル時代の思い出か。
稲毛海岸埋立地に広がる、団地群が、高度成長時代の、象徴なら、この、京葉線は、バブルの象徴だ。
あの頃、ニュータウンの、その先には、バブルが、あったのだな。
といっても、バブルは、はじけて、つまり、崩壊して、初めて、バブルの時代、という認識ができるわけで、当時は、近未来が、いよいよ、現実になる、と実感していた。
高度成長期を、駆け上がり、ようやく、辿り着いた、安定期。
そういえば、京葉線から先、海岸までの団地群は、安定期に完成している。
とすると、京葉線、というのは、実は、そもそも、近未来の路線などではなく、これら集合住宅群の、交通路線に、すぎなかったのかもしれない。
それが、なぜか、壮大な、夢の路線に、祭り上げられてしまったのかな。
とんでもない、未来が、すぐそこに、来ているなんて、錯覚。今から、考えれば、完全な錯覚だ。巨大な利益が、生まれるはずはない。
だから、当然、その先には、何もないのだ。
でも、その、何もないところに、すでに、将来の分も含めて、全財産を、賭けてしまっている。
だから、今のところ、賭け勝負を、止めるわけには、いかない。
そんなことしているうちに、京葉線も、レトロになってきているような感じがする。
つまり、昔の夢は、今も、こうして、立ち尽くしているのだ。
(2009年11月記)