中央線三鷹駅(三鷹駅北口国木田独歩詩碑)

三鷹駅北口国木田独歩詩碑

メインストリートを南に向かい、再び、駅前へ。
駅舎の前、傍らには、国木田独歩の詩碑がある。
代表作、「武蔵野」に、ちなんで、ということかどうか、わからないが、たぶん、そうなのだろう。
自分も、いちおう、武蔵野、と呼ばれる、地域に、ずっと、住んでいるので、やはり、この、「武蔵野」という作品には、興味が、なくはない。
学生の頃に、一度、読み始めたような記憶があるし、何年か前にも、たしか、本を、買っている。
ただ、最後まで読む前に、どっかに、いってしまうのだが。
なぜ、読み進められないのか、というと、「武蔵野」の中の武蔵野は、特定の、地域を、指し示しているのではなく、何か、茫洋としたイメージの武蔵野、のような気がするからかもしれない。
例えば、その頃の、国木田独歩の自宅は、三鷹駅付近ではなく、今の、渋谷、NHK放送センターの南側にあったのだ。
「武蔵野」によると、その場所からして、武蔵野、であったらしい。
さらに言えば、武蔵野の定義は、西側は、まだ、いいとして、東側は、北千住、錦糸町、亀戸まで、含まれている。
これでは、「武蔵野」の中の、武蔵野には、違和感を抱かざるを得ない。
ひょっとしたら、この作品の武蔵野は、都心に対する、郊外、田園、といったものなのかもしれないな。
あるいは、都心での生活で、傷ついたり、荒んだりした、心を、癒す場、として、武蔵野を、見出したのかも。
どちらにしろ、国木田独歩の武蔵野は、三鷹駅には、今は、ないような気がするけど。
(2010年1月記)