中央線三鷹駅(下連雀 禅林寺)

下連雀 禅林寺

八幡大明神社の東側には、禅林寺がある。
創建は、八幡大明神社と同じ、江戸時代前半だ。
たぶん、八幡大明神社と禅林寺は、セットなのだろう。
八幡大明神社と同じく、あたり一帯の、心の拠り所として、建てられたに違いない。
ただ、禅林寺には、地域的な面とは、別の側面もある。
この寺院には、太宰治が、眠っているのだ。
さっそく、行ってみることにする。
禅林寺山門を抜け、境内を北へ。
正面の建物の裏手、北側に、墓地が、あるらしいのだが、さて、どうやったら、入れるものやら。
いちおう、目印は、あるので、それに、従うしかない。
いったん、地下に降りる。そして、建物の下を潜って、上へ。
すると、北側に、広がる、墓地に出られる。
墓地に着いたはいいが、いったいどこに、太宰治の墓があるのか、わからない。墓石なんて、皆、同じなわけで、さて、困ってしまった。
しょうがない。一つ一つ、虱潰しに、調べていくしかないな。
正月早々、墓地を、うろうろしているのは、自分ぐらいだろう、と思いつつ、調べ始める。
大半、確認したあたり、果たして、やっと、太宰治の墓に、辿り着いた。
墓石は、意外と、大きくはなかったな。
ということで、しばらくは、感慨深い気分に、浸りたかったのだが。
でも、桜桃忌でもないのに、しかも、正月、訪れたことは、非礼に当たるのでは、と案じてしまい、早々に、退散する。
もちろん、墓石を、カメラに、収めるような、無粋なことは、やらなかったが。
再び、地下道を抜け、誰もいない、墓地を後にした。
(2010年1月記)