総武線市ヶ谷駅(市ヶ谷橋から臨む市ヶ谷濠)

市ヶ谷橋から臨む市ヶ谷濠

急な石段を、降りていき、再び、外堀通りへ。
外堀通りの南側には、通りの名前が示すように、外堀の水面が広がる。
すぐ近くには、市ヶ谷橋。市ヶ谷橋を渡った先には、JRの市ヶ谷駅がある。
ということで、市ヶ谷駅で、もう、帰るわけだが。
そういえば、市ヶ谷駅のあたりには、江戸時代、市ヶ谷御門があり、それ以前は、市谷亀ヶ岡八幡神社が、あったのだ。
その、市谷亀ヶ岡八幡神社は、鎌倉の、鶴岡八幡宮から、分社されたのだが、連れてきたのは、太田道灌だと言われている。
たぶん、史実ではないかと、思えるが。
ただ、その他、あちこちにある、太田道灌の事跡は、どうも、言い伝えや、伝説のような感じがするな。
鶴岡八幡宮の分社、市谷亀ヶ岡八幡神社にしても、鎌倉の勢力が、ここまで、広がった、という風にもとれるし。
そもそも、今は、外濠があるが、太田道灌の頃の江戸城は、ずっと、規模が小さく、ここからは、離れている。だから、市谷亀ヶ岡八幡神社は、江戸城とは、関係がないように思える。
それに、「鶴岡」から「亀ヶ岡」、なんていう名前の変更も、武将的、ではなく、牧歌的、あるいは、雅な、貴族的、という感じだ。
もっとも、こうして、市ヶ谷橋から市ヶ谷濠を見やると、都心の中にあって、本当に、風光明媚な、水場の光景に、心惹かれる思いがする。
城郭の濠、というよりも、庭園の広大な池、とても、雅な感じがするのだ。
太田道灌の伝説が、都心に、根付くのも、そういうことなのかもしれない。
でも、あまり、雅な雰囲気を、味わっている、余裕はないなあ。
もう、帰らなければならない。
JR市ヶ谷駅に向かう。
(2010年1月記)