京浜東北線大井町駅(立会川の跡の遊歩道 ネコの像 太郎と花子)

立会川の跡の遊歩道 ネコの像 太郎と

高田馬場駅から山手線。品川駅で、京浜東北線に乗り換える。
大井町駅で下車。
西口に降り立つ。相変わらず、広々とした駅前広場、まっすぐ伸びるメインストリート、とても感じのよい、景観だ。
そんな駅前広場を、西へ進むと、北側に、一叢の木立。
立会川の流路跡なのだが、今は、緑地公園になっている。
その、緑地公園の入口に、二匹の、戯れているネコの銅像
太郎と花子、という名前らしい。
なんでも、大井町に住んでいた、有名な詩人、萩原朔太郎に因んでいるそうだ。
名前は、知っているけど、詩は、疎いので、どういう、謂れなのか、まったく、わからない。
そもそも、大井町のどこに、住んでいたものやら。
これでは、終わってしまうので、いちおう、探してみると、そのもの、「大井町」という、詩作があった。
もっとも、内容は、暗澹。貧困と喧騒と薄汚さが満ち溢れている。
そう、今、大井町は、とても、きれいなのだが、実は、昔、大工場地帯だったのだ。
けれど、その、暗く鬱屈している中に、すごく、エネルギッシュな感じもある。
さらに言えば、そんな、大工場地帯、大井町を、萩原朔太郎は、たいへん、気に入っていた、ということだ。
そうでなければ、ここに、ネコの銅像なんか、なかっただろうけど。
だが、萩原朔太郎の愛した、喧騒の大工場地帯、最早、ここには、なくなっている。
今、あるのは、閑静な、景観だけ。
なんだか、あんまり、萩原朔太郎が、好きそうに、思えないのだけど。
(2010年2月記)