日比谷線南千住駅(南千住仲通り商店街)

南千住仲通り商店街

吉野通りを、少し、北に行くと、西に、南千住仲通りという、商店街が、伸びている。
吉野通りは、何度か、歩いていて、その、レトロな雰囲気に、心惹かれるものがあったのだが。
ただ、特に、南千住仲通りに行く予定は、なかった。
正面から、夕陽が差し込んでいて、なぜか、その、光景が、郷愁を誘い、思わず、南千住仲通りに、入り込んでしまったのだ。
これでは、まるで、昭和レトロをテーマにした、隠れた名画、「クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲」、そのままではないか。
そういえば、南千住仲通り、その、アニメ映画に出てきた、夕日町銀座商店街に、似ていなくもない。
違うといえば、ほとんど、客は、見当たらず、ひっそりとしていて、店も、所々にしか、ないことかな。
もっとも、昔は、おそらく、南千住から、西側、三ノ輪あたりまで、続いていて、こんな、夕方は、さぞ、買い物客で、賑わっていたことだろう。
まさに、夕日町銀座商店街のように。
と、思ったけど、やはり、実は、決定的に、違う点がある。
違うのは、今度は、夕日町銀座商店街の方。
昭和レトロのために作られた、人工のセット、夕日町銀座商店街には、子供の姿が、まったくないのだ。
作り物なのだから、当然なんだろうけど。
でも、今の、南千住仲通り、子供はおろか、他には、誰もいないし、そもそも、店も、なくなってきている。
どっちが、いいものやら。
たしか、「クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲」、その点には、触れていない。
バブルが崩壊した後の失われた10年、そこから、脱却しようとしていた頃の、アニメ映画なので、そこまで、深刻ではないのだろう。
そう考えると、「クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲」そのものも、今や、レトロな感じがして、こんな映画が、流行ったこと自体が、懐かしくなってしまった。
夕陽の差し込む、誰もいない、商店街を、後にして、吉野通りに戻る。
(2010年3月記)