日比谷線南千住駅(南千住六丁目 素盞雄神社)

南千住六丁目 素盞雄神社

日光街道に、戻り、南へ。
ちょっと、歩くと、通りの、西側に、素盞雄神社
創建は、おそらく、平安時代
訪れたときは、見るのを、失念してしまったが、境内には、有名な、瑞光石、というのがあるそうだ。
江戸名所図絵にも、載っていて、瑞光石のあるあたり、ちょっとした、塚、になっている。
小塚原、という地名は、この、小さな塚、小塚、から、ということらしい。
そして、塚、といえば、古墳。
おそらく、太古の昔からの、原住民の、古墳が、あった可能性が、高いと思う。
平安時代、その、古来からの、聖域を、神社に、置き換えたのだろう。
とすると、一帯に、暮らしが始まり、この場所が、聖域になって、気の遠くなるような、時間が経つわけだ。
そして、この先も、ずっと、あり続けるんだろうなあ。
そんな、素盞雄神社境内から、外へ出て、日光街道へ。
もう、夕暮れ。日が落ちそうなので、帰ることにする。
ちょうど、そのあたりから、吉野通りが、分岐していて、その通りを、南に進めば、南千住駅
歩いていると、吉野通りには、昔からありそうな、店が、点々と、並んでいる。
ちょっと前に、訪れたときは、まだ、多くの店が、残っていて、少しは、賑やかだったけど。
今は、寂れていて、とても、静か。
そんな通りを歩いているうちに、夜が、だんだん、迫ってくる。
そのとき、ふと、「クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲」の、終幕を、思い出してしまった。
昭和ノスタルジーのテーマパーク、「夕日町銀座商店街」から、脱出した、家族たちは、夜の帳の落ちる前、夕暮れの中、春日部の、我が家を、目指して、帰っていく。
すっかり、日が落ちて、夜、家に、帰り着き、そして、家の明かりが、灯るのだ。
今から、10年前、そんな風に、帰る家があった、というわけか。
10年経った、今、いつの間にか、帰る家は、なくなっている。
でも、そんな時代でも、生き延びなければ、ならない。
(2010年3月記)