都営大江戸線大門駅(増上寺 総門)

増上寺 総門

南へ向かう。
再び、西へ伸びる、通りに、入り、そのまま、西へ。
すぐに、増上寺総門。
別名は、大門。こちらは、都営地下鉄の駅名になっている。
街中、唐突に、大きな門が、ぽつんと、あるように見えるが、もとは、この位置まで、増上寺だったのだ。
江戸時代は、徳川家の菩提寺、ということで、広大な寺域。
総門の前、東側に、北から南へ、桜川が、流れていた。
桜川を、挟んで、その東側には、さっき、訪れた、芝大神宮の境内。
さぞ、壮大な、眺めだったことだろう。
だが、江戸時代が終わり、明治時代になると、今度は、逆風。
増上寺は、かなり、面積を、狭められ、今日に、至っている。桜川も、いつの間にか、なくなっているし。
ただ、総門だけは、当時の場所に、残った。
もっとも、今の門は、昭和の初め頃に、再建されたもの。それほど、古くはない。
それ以前の門なのだが、実は、江戸城の大手門を、譲り受けたものらしい。
かほどにも、徳川家の寵が、厚かったのだ。
逆に、明治時代になって、そのことが、大きな、逆風の原因になってしまうけど。
それで、その門なのだが、関東大震災で、焼失してしまっている。
新しい門は、昭和の初めに、再建されたのだが、特別に、コンクリート製。過去に、いろいろあったので、頑丈に作ったのかな。
それが功を奏して、戦災を、免れたのかもしれない。
ぽつんと、建っている、この、増上寺総門。数奇な、運命を辿ってきたのだな。
(2010年4月記)