都営三田線御成門駅(花見客で賑わう芝公園)

花見客で賑わう芝公園

芝東照宮の南側に、出てみると、木々の中、満開の桜。
一面、桜木で、覆われているのも、壮観だが、こうして、点在している、というのも、桜の美しさが、より、際立つように思える。
そんな、桜の木の下、あるいは、それに限らず、一帯は、花見客で、賑やか。
そういえば、今年は、暖冬だったものの、春先は、とても、寒くて、本当に、春とは、名のみ、だったな。
寒波が、過ぎ去るたび、これが、最後、と思っていたのに、次の、寒波が、より、強くて。
ちょっと、大袈裟だが、だんだん、冬に、逆戻りしているんじゃないか、そう思ってしまったけど。
だが、季節は、争えないものだ。
ある時期を境にして、もはや、後戻りできぬ勢いで、季節は、歩み出す。
この後、ひょっとして、寒い日も、あろう。ただ、それは、季節の、ほんの、迷い。
このような、冬から春への、季節の、大きな変わり目。それが、今日なんだろう。
そして、この時、桜は、散っていくのだ。
まるで、散っていくことによって、春から先の季節を、後押ししたみたい。
さらに言えば、その、後押しされた、一年一年の、積み重ねが、時代であり、歴史、なのかも。
この先、まだ、見ぬ、一年を、そのままに、散り行く、桜の花。
だから、桜は、こんなにも、感動的で、美しいのだな。
(2010年4月記)