京浜東北線川口駅(川口駅東口のこげ茶色の塔)

川口駅東口のこげ茶色の塔

しばらく、街中を、歩いてみると、今、まさに、旧家屋が解体されている現場に、遭遇したりして、やはり、時代の流れを、感じざるを得ない。
今に、始まったことではないので、特に、気にする必要は、ないのかな。
といいつつ、自分は、こうして、無残に、解体されていく側に、いるわけで、なんとも、身につまされるわけだが。
そんな、川口の街を、追われるようにして、駅前へ。もう、帰ることにする。
ふと、ペデストリアンデッキの下、こげ茶色の塔のような、物体が、目に入る。
前々から、気にはなっていたけど。
ということで、帰り際、ちょっと、近くまで、行ってみる。だけど、いったい、何なのだろう。
結局、わからないまま、川口の街を、後にして、帰途に着く。
わからないので、ここからは、想像。
川口駅東口には、高度成長期の後半、実は、地下街が、形成されたらしい。
キューポラのある街」から、しばらくして、という時期。
高度成長が進展し、だんだん、世の中に、豊かさが、遍く、広がってきたのかな。
川口だけではなく、地方都市には、あちこち、地下街が、誕生している。
地下街は、天候に、左右されないし、便利だし、何よりも、豊かな感じだし。
しかも、誰でもが、その豊かさを、享受できるのだ。
でも、そんな、川口の地下街、バブルの終わり頃に、閉鎖されている。
かわりに、ペデストリアンデッキが、できたからだろうか。
理由は、わからないが、今から、思うと、本当に、川口のような、郊外都市に、地下街が、あった、というのは、驚きだ。
ところで、例の、こげ茶色の塔についてなのだが、この、地下街の、排気、ないし、通気のための施設、なのかもしれない。
だとすると、豊かな時代だった頃の、遺物、ということになる。
それが、今、ペデストリアンデッキの下、ひっそりと、佇んでいるわけか。
もっとも、本当に、そうかどうか、確証はできない。
今度、来たときは、是非、探ってみよう。
(2010年4月記)