りんかい線東京テレポート駅(第三台場跡の内部)

第三台場跡の内部

第三台場の縁の部分を、上ると、ようやく、内部を、見ることができる。
江戸時代末期に作られた、敵艦船を、迎撃するための、海上要塞。
その、朽ち果てた、廃墟、のはずなのだが、内部は、青々と、草が、波打ち、片隅には、樹木も、生い茂っていた。
なにか、北欧あたりに、このような、美しい、景色、あったような気がする。
内部は、窪んでいて、平坦。まわりが、壁になっているので、風も、吹き込まず、穏やかな感じ。
こんな風に、なっているとは、思わなかったなあ。
ただ、窪み過ぎていて、底の分部は、ひょっとしたら、海面よりも、低いのかも。
内部に、下りてみると、水溜りが、あちこちにできている。
ひょっとしたら、その水溜り、海水が、沁み出して、できたのだろうか。
あるいは、ただの、降雨によるものだろうか。ちょっと、わからない。
例えば、他の、埋立地で、放棄されてしまっているような、場所では、一面、潅木が、生い茂っていたりする。
やはり、海水が、沁み出しているので、草ぐらいしか、生えないのかもしれない。
このような台場、江戸時代の末期、黒船の出現により、作られたわけだが、明治時代になると、もう、用はなくなってしまう。
黒船に対する、抑止力には、少しは、役に立ったのかもしれないけど。
後は、ずっと、余生、というところ。
いちおう、砲台跡、かまど跡、弾薬庫跡、陣屋跡、などは、残っているが、歴史的テーマパークのオブジェと、なんら変わらない。
でも、こうして、残ったのだから、いいような気もする。
レインボーブリッジを見て、かつての、帰らざる日々のことを、思い出してしまったからなのだが。
本当に、変わらずに、残るものなんて、ほとんど、あるわけじゃない。
(2010年5月記)