常磐線柏駅(柏三丁目 柏神社)

柏三丁目 柏神社

住宅街の細い道を、東へと向かう。
しばらくすると、南北に伸びる、常磐線の、線路。
跨線橋で、駅東側に、行くことにする。
それにしても、ずいぶんと、古そうな、跨線橋だ。
跨線橋を、渡り終えると、なんと、下りは、ループになっている。
こんなの、見たのは、初めてだな。
自転車でも、利用できるように、ということなんだろうけど。
ぐるぐると、回りながら、地上に、降り立つ。
駅東側に出て、さらに、東へ。
やはり、こちらの方は、旧市街。古い商店が、軒を連ね、昭和の時代を、感じさせる。
そんな商店街を、東へ、歩いていくと、南北に伸びる、通り。
実は、この通りが、江戸時代に、開通した、水戸街道らしいのだ。
そして、この通りの、東側には、柏神社。
まさに、この地域を、代表する神社だな、と思ったが、それほど、歴史はなく、創建は、江戸時代が、始まって、しばらくしてから。
しかも、最初は、八坂神社、だったらしい。
いつから、柏神社に、なったのかというと、かなり、最近、高度成長時代の終わり頃、つまり、駅前のペデストリアンデッキや、デパートが、完成した時期なのだ。
こう見てくると、このあたりには、あまり、歴史が、ないような感じがする。
それもそのはず、柏神社があるあたり、江戸時代には、柏木戸、というのがあって、その南側、今の、南柏駅あたりまでは、古来より、広大な、牧場だったらしい。
その牧場、あまりにも、広大で、水戸街道を、迂回させることができず、出入口に、木戸を設けて、牧場内を、通行できるようにしたわけだ。
だから、あたり一帯には、昔から、牧場が広がるのみで、当然、歴史はない。
柏は、高度成長期の終わり頃、一気に、完成した、新しい街、なのだ。
その割に、日本初のペデストリアンデッキや、古ぼけたデパート、喫茶店など、街全体が、レトロなのは、興味深い。
ひょっとしたら、新しいことに、飽いて、むしろ、レトロを、選んだのかな。
どうだか、わからないけど。
ということで、そろそろ、帰ることにする。
ちょっと、名残惜しいような、気もするが、仕方がない。
(2010年5月記)