中央線中野駅(中野四丁目 中央線沿いの路地)

中野四丁目 中央線沿いの路地

さらに、南へ歩くと、中央線の高架。
中央線に沿って、東へと、向かう。
いちおう、住宅地だが、すぐ、北側は、広大な警察学校の跡地。
線路と跡地に挟まれて、住宅地が、細く、伸びている。
そういえば、一帯は、江戸時代の一時期、有名な、生類憐みの令によって、設置された、中野犬屋敷が、あったらしい。
敷地としては、警察学校よりも、もう少し、広くて、中央線の、南側も、含まれていた、ということだ。
広大な敷地に、何万という数の犬が飼育されていて、さぞ、異様な光景だっただろう。
そういうわけで、一般に、生類憐みの令というと、バカ殿様のきまぐれで、庶民が、振り回され、大いに、迷惑した、という印象なのだが。
でも、そこには、なんとなく、滑稽なものを、感じてしまう。
別に、軍用犬を、育成していたわけではないし。
それに、いちおう、市井の庶民も、生類の中に入るんだろうし。
たとえば、犬屋敷の中、厳しい武士が、大勢いの、尻尾を振る、犬たちに、囲まれている光景を想像すると、むしろ、微笑ましい感じもする。
実際は、どうだったか、わからないけど。
さらに、東へ東へと、歩いていく。
(2010年8月記)