東急世田谷線宮の阪駅(豪徳寺二丁目 豪徳寺)

豪徳寺二丁目 豪徳寺

住宅地の中、さらに、北へと歩いていく。
しばらくすると、広大な寺域を持つ、豪徳寺
入ろうかと思ったのだが、もう、時間がないのでやめた。
寺門の前で、引き返す。
豪徳寺の南側に、さっき、訪れた、世田谷城址公園があるのだが、豪徳寺は、もともと、その、世田谷城の中にあったらしい。
創建は、室町時代、というところか。
当時は、弘徳院、という名前だった。
江戸時代になって、世田谷城は、とうに、なくなったが、残っていた弘徳院は、彦根藩井伊家の菩提寺となる。
そして、名前は、変わり、豪徳寺
明治維新の激動の最中、桜田門外の変で倒れた、井伊直弼、井伊家の菩提寺、というわけで、この豪徳寺に、眠っているわけだ。
そういえば、井伊直弼が、処刑した、吉田松陰は、東隣の、松陰神社に眠っている。
その、吉田松陰の辞世の句、「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂」は、とても、有名だが、実は、井伊直弼にも、以下の句、
「世の中を よそに見つつも うもれ木の 埋もれておらむ 心なき身は」。
吉田松陰の辞世の句と、よく似ていはいまいか。
敵味方に分かれてはいても、同じ時代の中に生きていた、そういうことかな。
そんなこと考えながら、豪徳寺を、後にする。
(2010年10月記)