都営三田線板橋区役所前駅(本町 縁切榎)

本町 縁切榎

さらに、北へと、歩いていく。
しばらくすると、一叢の木立。
小さな祠、縁切榎だ。
やっと、有名な史跡に辿り着く。
もっとも、縁切り、というのは、ちょっと、と思ってしまうが。
縁結びもあれば、縁切り、もあるわけだろうけど、あんまり、喧伝するような、感じではない。
厄除けの一種、と考えればいいのかな。
でも、どういう経緯で、この場所にあるのだろう。
まったく、わからない。
ちょっと、想像してみる。
南側には、東京大仏で有名な、乗蓮寺が、かつて、あった。
江戸名所図会には、乗蓮寺しか、載っていないので、板橋宿を、代表する寺院、といえるだろう。
その乗蓮寺境内には、相生杉、女男松、というのが、あったそうだ。
いかにも、縁結びの、御利益が、ありそうな、感じ。
実際、そういう寺社は、多い。
ただ、世の中、良い縁もあれば、そうでない場合もある。
つまり、縁結びが御利益である場合もあれば、縁切りが、御利益である場合も、少なからず、あるのだ。
乗蓮寺には、相生杉どころか、女男松、なんてのもあり、縁結びに関しては、あるいは、行過ぎた、配慮だったのかも。
そこで、いつしか、その、縁結びに、対応して、縁切榎、というわけだ。
縁結びと縁切りが、そもそも、セットになっているのかどうか、わからないけど。
(2010年12月記)