京浜東北線鶴見駅(総持寺百間廊下)

総持寺百間廊下

壮大な、大祖堂も、見たことだし、もう、帰ることにする。
帰る段になると、いままでの、この世のものとも思えない、総持寺の光景、急に、色褪せてしまった。
これから、現実に、戻る、からだろう。
所詮、総持寺も、現実の中に、浮かぶ、小さな、テーマパークに過ぎないのかな。
でも、たしかにそうなんだろうけど、そう見ている自分は、さらに、さらに、小さく、限りがある存在なのだ。
だから、たとえ、総持寺の、光景が、すべてだとしても、それはそれで、何も、言うことはできない。
そんな風に、思いつめたわけでもないが、あと少し、散策してみる。
広々とした、道から外れ、西の方へ。
庭園のようになっていて、落ち着いた感じ。
そういえば、まだ、寒いけど、陽射しは春だ。
いつの間にか、季節は、進んでいる。
そして、南へ、歩いていくと、長い長い回廊。
百間廊下、という名前。
その、回廊を、越えると、外界へ、一歩、出て行くことになる。
現実に、一歩、戻っていくわけか。
とりあえず、帰ることにする。
(2011年1月記)