千代田線湯島駅(冬枯れの不忍池)

冬枯れの不忍池

パークタワー上野池之端の、通りを挟んで、東側には、不忍池が、広がる。
夏には、蓮が、水面に、広がり、一面、緑になるのだが。
今は、冬なので、蓮は、枯れていて、とても、侘しい光景。
でも、こういうのも、それなりに、見ていて、風情があるものだ。
季節の移ろいとは、不思議なもの。
ただ、季節だけではなく、時代の変化、というのもある。
最近だと、不忍池の北側、今は、上野動物園西園になっているが、江戸時代、そこも、不忍池だったのだ。
明治時代に、埋め立てられている。
さらに言えば、昭和の時代よりも前、不忍池には、北から、藍染川という、小川が、流れ込んでいた。
また、別の川筋が、不忍池、手前で、分岐し、不忍池の西側を、南流していたらしい。
そして、もっと、昔、鎌倉時代以前は、石神井川が、流れ込んでいたのだ。
こちらは、藍染川のような、小川ではなかったので、不忍池の周囲、一帯が、湿地になっていたに違いない。
今とは、想像もつかない、景観だっただろう。
とすると、はるか未来の姿も、別なものになっているはず。
長い目で見れば、目の前の景色も、儚いものなのかもしれない。
(2011年2月記)