りんかい線東京テレポート駅(誰もいないテレポートブリッジ)

誰もいないテレポートブリッジ

パレットタウンから北へ。
湾岸高速に架かる、テレポートブリッジがある。
いつもは、けっこう、賑やかなのだが、やはり、今日は、誰もいない。
そんなテレポートブリッジを歩いて、北側、台場の方へ。
そういえば、大地震があった日、寒空の中、駅舎から、閉め出されたのだった。
子供連れの母親や、かなりの高齢者、そう、目の不自由な方も、いたな。
それでも、まだ、これは、当分、電車、動かない、と思っていた程度。
すぐに、バス停へ。
なんとか、西へ向かう、バスに乗り継ぎながら、少しでも、家に近付こうと、思ったのだ。
ところが、バス停には、信じられないほどの、行列。
しばらく、並んでいたが、諦め、某大ターミナル駅へ向かう。
そちらの方が、バス停が、たくさんあるからだ。
線路に沿って、南へ南へと、向かうと、逆に、北へ向かう、大勢の、帰宅難民とすれ違う。もちろん、自分も、帰宅難民。
これは、かなり、不味いな、と思いつつも、さらに、南へ。
某大ターミナル駅近くに、達すると、駅の方からの、放送が、聞こえた。
曰く、JRは、終日、ストップする、ということ。
ちょっと、待ってくれよ。それじゃ、それまで、どうしているのだ。
だから、帰宅難民が、某大ターミナル駅から、脱出してきていたわけか。
いや、もとより、電車は、当てにしていない。
バスに乗るために、ここまで、来たはず。
ところが、幹線道路に来てみると、クルマが、道路に、溢れている。まったく、身動きできない状態。
もはや、万策、尽き果て、呆然としてしまったな。
他者に何もしてあげられないどころか、自分の身すら、どうにもならない状況。
今から、思い出しても、この、無力感は、こたえる。
苦い思い出に、うちひしがれながら、台場の、海岸に、行ってみると、静かな海原。
そこには、いつもと、変わらぬ光景が、広がっている。
でも、それが、今では、まだ、信じられない。
早く、帰ろう。
なにが、起こるかわからない。交通機関が、ストップするかもしれないし。
すぐに、ゆりかもめお台場海浜公園駅に向かう。
(2011年3月記)