丸の内線本郷三丁目駅(本郷五丁目 菊坂への細い通り)

本郷五丁目 菊坂への細い通り

本郷通りを、少し、北に、歩いていくと、北西方向に、細い道が、伸びている。
その道の先は、下り坂、菊坂。
野々宮が、リボンをプレゼントした、若い女性、この、小説のヒロイン、里見美禰子が、住んでいるあたりだ。
町名は、真砂町。
実は、この場所、夏目漱石が、学生の頃、親交のあった、正岡子規が、住んでいた、常盤会寄宿舎、というのが、あった。
菊坂から南側、炭団坂を、上がった、ところ。
なぜ、里見美禰子を、そんな、場所に、住まわせたのか、わからないけど。
小説では、里見美禰子の家、瀟洒な、立派な、家、という設定。
ただ、彼女には、両親はなく、唯一の、肉親は、兄一人。
このような、寄る辺ない境遇が、彼女をして、四方八方、気のある素振りを、させていたのかもしれない。
平たく言えば、いい女でいることが、彼女の、存在意義、なのかも。
もっとも、それで、ひっかかったのは、子供っぽい、三四郎、と、穴倉で、実験に没頭していた、世間知らずな、野々宮ぐらい。
本郷通り、もっと、北へ、行ってみる。
(2011年6月記)