中央線荻窪駅(荻窪駅北口駅前広場)

荻窪駅北口駅前広場

なんの、気紛れか、偶然か、西武グループが、この土地を、買収したわけだが。
ひょっとして、もし、そうでなかったら、間違いなく、一帯は、住宅地になっていただろう。
そして、住宅地になっていたなら、弁天池、あるいは、かつての、天沼、もはや、痕跡すら、残らなかったに、違いない。
運命とは、不思議なものだ。
そういえば、天沼、という地名について、もう一つ、謂れがある。
太古の昔、今の府中にあった、武蔵国府と、今の王子南側あたりにあった、豊島郡衙、その中間に、乗瀦、という駅が、あったらしいのだ。
その、乗瀦が、天沼、だったという、説。
もっとも、「乗瀦」自体、なんと、読むのか、今となっては、わからなくなっているけど。
仮に、「あまぬま」に近い、読み方を、したとして、次の証拠は、武蔵国府と、豊島郡衙を、直線に、結び、その、中間にある、ということかな。
それ以外、遺跡、遺構、遺物、など、証拠は、一切、見つかっていない。
現在、残っているとすれば、府中から、東に伸びる、人見街道、という細い通りだけ。
その、人見街道も、途絶えてしまうのだが。
おそらく、途絶えたあたりから、北東方向、今の、西荻窪付近を通って、練馬、そこで、再び、東へ伸び、豊島郡衙、という道行、だったのだろう。
とすると、天沼は、「乗瀦」、とは、まったく、無関係、ということになる。
そもそも、湿地帯に、そのような、施設があったとは、考えられないけど。
時間があったら、武蔵国国府から、豊島郡衙を結んだ、太古の、道を、辿ったり、「乗瀦」を探したり、そういうことも、興味深いかも。
住宅地を、南へ、向かうと、青梅街道。青梅街道の、南側に、荻窪駅
荻窪駅から、帰ることにする。
(2012年4月記)