日比谷線神谷町駅(麻布台二丁目 ノアビル)

麻布台二丁目 ノアビル

外苑東通りを、東へ。
すぐに、南北に伸びる、桜田通りとの、交差点。
その、交差点の、南西側には、ノアビル。
高さは、それほどではないものの、窓のない、黒い、のっぺりとした、壁面、円筒形の形状、低層部、レンガの臙脂色、その姿は、印象的なばかりではなく、重厚さ、高級感をも、漂わせている。
完成したのは、高度成長期の終わり頃。
高度成長を、達成し、安定期目前の、日本。
そういった、時代の、雰囲気を、この、建物、体現しているように、思える。
実際、近くを、通ると、坂を、上ったところにあるし、奇抜な、デザインだし、とにかく、目立つのだ。
でも、ここ最近の、都心中心部に、あい続く、大規模な、再開発を前にしては、ノアビル、完全に、圧倒されている。
まるで、使い古された、玩具のようにも、思える。
規模が違うのだから、それは、そうかもしれない。
でも、そのことは、高度成長で、達成されたものが、実は、小さく、他愛のないものだった、ということかも。
さあ、もう、帰ろう。
連休中ということで、都心は、とても、静か。
ひょっとして、もう、このまま、ずっと、静かなままなのかと、思ってしまう。
桜田通りを、北へ。
日比谷線神谷町駅で、帰る。
(2012年4月記)