中央線国分寺駅(国分寺駅北口再開発予定地)

国分寺駅北口再開発予定地

甲府駅から、特急に、乗り込む。
行きは、八王子駅から、甲府駅まで、ノンストップだったが、帰りは、通常の、特急。
ゆったり、座っていけるけど。
流れ去っていく、車窓の風景、ぼんやり、眺めながら、再び、甲府のこと、映画「サウダーヂ」のこと、考える。
実は、高度成長を、成し遂げた、所得倍増計画なるもの、間違っていたのでは、とか。
それは、たまたま、社会規模が、拡大するときにのみ、通用する、考え方、のような気もする。
社会規模が、拡大している、ということを、前提として、そのまま、突き進めば、実情、縮小していく社会の、成員は、どんどん、疲弊し、磨り減っていくのに、違いない。
では、実情、社会は、縮小しているのに、なぜ、社会規模が、拡大していることに、なってしまっているのだろうか。
どうして、そんな、錯覚が、おこるのだろうか。
それは、富、を表す、所得という、尺度、なのかもしれない。
実際、楽しく、生きていくのに、富、は必須、という、わけでは、ないのだけど。
なのに、富、だけが、ずんずんと、積み上がり、そのたび、無理な、背伸びを、しなければならなくなる。
などと、考えているから、負け組になってしまうのだろうな。
しばらくして、もう、八王子駅を過ぎ、立川駅
いったん、立川駅で、下車し、中央線。
国分寺駅で、ちょっと、降りてみる。
北口側が、今しも、再開発が、始まりそう。
子供の頃、何度か、降りたこと、あるのだ。
そのとき、一帯は、商店が、並び、ずいぶんと、賑やかだったな。
いつしか、その商店は、なくなり、その跡地には、再開発。
でも、それは、見上げるだけの、高層ビル、でしかない。
まるで、架空の中だけの、拡大しつつある、社会のよう。
手を伸ばしても、もとより、自分には、届かない。
(2012年5月記)